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第七章・2

「じゃあ、天羽さんをお楽しみの場所へ運ぼう」  伯父は要と宇実をまたボートに乗せると、別の海上筏に運んだ。 「ここには、今度の冬に浜揚げするアコヤが育っているんだ」 「4年かけて、大きくなったんだよ」  伯父と宇実の説明に、要はふと疑問を投げかけた。 「そういえば、貝は何を食べて育つんだい?」  大きくなるには、エサがいる。  こんな風に網に入れ、筏の下に吊るしているだけでいいのだろうか。 「要さん、この海が、恵の餌場でもあるんだ」 「海が?」 「ここの海は、深い緑色でしょう。プランクトンが、抱負だからだよ」  そうか、と要は海を見渡した。 「貝のエサは、そのプランクトンなんだな」 「その通り!」  すばらしい、と要は目を細めた。 「自然の恩恵を受けて、私たちは貴重な真珠を手にすることができるんだ」 「じゃあ、そろそろ要さんにもその恩恵を」  宇実は、伯父が今まさに筏の上に海から揚げたアコヤガイの網を差し出した。

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