37 / 94

第七章・4

 開いた貝の肉をピンセットでそっと探った要の手に、異質な感触が。 「あ、これかな?」  ていねいに、まるで料理でも扱うように、要は貝の肉を寄せていく。 「出てきた!」 「要さん、やったね!」  要の持つピンセットには、大粒の真円真珠が輝いていた。 「どれどれ?」  うんちくを傾けようと、伯父は顔を近づけた。  そして、息を飲んだ。  その形、色味。照りに、巻き。 「まさか。まさかの、5%……」 「すごい。要さん、ホントにすごい……」  要は本当に、希少な花玉を手にしていたのだ。 「まさか、本当に花玉を手にするなんて」  美しい、と要はため息をついた。  我が手で、取り出したのだ。  その感激も、ひとしおだった。

ともだちにシェアしよう!