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第八章・2

 白くて滑らかな宇実の背中は、まるでさっき取り出した真珠のようだ。 「……美しい」 「要さん?」  そっと指先で触れると、きめ細やかな肌のぬくもりがある。  そのことが、要には途方もなく尊い。 「ごめん。少しだけ、いい?」 「何が? ……あ」  要は、背後から宇実の体を抱きしめた。  うっとりと目を閉じ、自分の肌を宇実の肌に重ねた。 「……要さん」 「静かに」  宇実はそっとうなずき、息を吐いた。  肌を通して、要の鼓動が、呼吸が伝わってくる。  宇実は意識的に、その呼吸を合わせた。  静かだ。  二人はただ、黙って息だけをしていた。  この静寂を、味わった。

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