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第八章・3

 バスルームから出て、小さなくしゃみをする宇実に、要はすまなさそうな声を掛けた。 「湯冷めしたかな。ごめん」 「ううん、大丈夫」  二人で、どれくらいの時間を過ごしていたのだろう。  あっという間のような、長い長いような。  不思議なひとときを、味わった。  だがそれは、二人の心と体をさらに近づけるには充分だった。  ベッドに潜り込んだ要と宇実は、自然にキスを交わしていた。 「宇実……、好きだよ」 「僕も、要さんが大好き」  要の広い手のひらが、パジャマ越しに宇実の肩を、腰を撫でる。 「……いい? 嫌だったら、私はこのまま眠るよ」 「……いいよ」 「途中で辛くなったら、すぐにやめるから。正直に話して」 「ありがとう」  でも、心地いいのだ。  要に撫でてもらっていると、体の奥が疼いてくる。 (痴漢に同じことされても、気持ち悪いだけなのに)  宇実は軽く目を閉じた。

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