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第九章・4
「ん……」
宇実は、寝起きて瞼をこすった。
少し疼く、後膣。
ああ、そうだ。
僕は昨夜、要さんと……。
瞳を開くと、そこには要の優しいまなざしがあった。
「おはよう」
「おはよう、要さん」
そっと軽いキスをくれる要の仕草に、切なくなる。
それは宇実には、大人過ぎる儀式だった。
「宇実も、私にくれないか? モーニング・キス」
「う、うん」
照れながらキスをすると、要はにっこり微笑んだ。
「朝食の前に、シャワーを。一緒に使う?」
「いいよ」
広いバスルームで、二人そろってはしゃぎながら湯をかけあう。
そうするうちに、ぐうとお腹がすいてきた。
「朝食は、私に任せて」
「え? 要さん、料理できるの?」
「軽食くらいは、準備できるよ」
そう言って要が出したのは、甘いフレンチトーストだった。
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