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第十四章・2

「おーい! そろそろ、集合の時間だよ!」  宇実の伯父が、遠くで大声を上げている。  瀬渡し船が、磯に到着したのだ。  浜で漂着ごみを拾っていた人々は、みんなゴミで膨れ上がった袋を持って笑顔だ。  要と宇実も笑顔を交わし、船へ向かった。 「今日も、たくさん拾えたなぁ」  ビニール袋や発泡スチロール、ライターに、空き缶に、ペットボトル。  中には、海外の文字で表記されたものもある。  海流に乗って、はるばるやってきたのだ。 「拾っても拾っても、無くならないものだね」  伯父はぼやいたが、宇実は静かに言った。 「でも、誰かがやらないと。それに、子どもたちには未来もあるから」  お、と伯父は目を円くした。 (宇実くん、大人になったな)  それはおそらく、彼一人で高校に通っていても身に着かなかったに違いない。  その隣で一生懸命にゴミ袋を運んでいる、要の力によるものだろう。 (最初は、ただのお金持ちのボンボンと思ってたけど)  いい意味で、裏切られた。  伯父は、そう思うようになっていた。

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