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濡羽と黄金 12

「きもちいい?」  銀色の糸を引く唇でそう尋ね、ちろりと先端を舐めながら首を傾げる。  それを体をひさぐ人間のあざとさと言ってしまえばそれまでだったが、けれど射るように見詰めてくる瞳の美しさに、以前るりが玄上にしてみせたように、ただこくりと頭を下げた。    るりは淫らだった。  朱を含んだ白硝子の肌はどこまでも敏感で、産毛をなぞるだけで喘ぎ、玻璃の蒼を滲ませた目は冬のように冷ややかに見えたが、こちらが卑猥な要求をする度に底にちらりと羞恥を見せて小さく揺れる。  その様が、愛らしくて……  つい意地悪く胸を強く苛めると、俺を締めつける力を一層強めて応えてくれた。 「────っ……るりっ」  達する際に名を呼ぶと、俺を跨いで細い体をくねらせていたるりがこちらを見下ろしてにやりと微笑む。  それはさながら、この場の主導権を表しているようにも見えて…… 「は……その顔を見ると、どちらが客かわからないなぁ」  そう苦笑してみせると、笑うるりの片眉が上がった。 「生意気そうな顔をして」  挑戦的な笑みを崩さないるりを押し倒すと、俺の精液を溢れさせるそこに指を入れて愛撫する。 「悔しいから、可愛がってやろう」 「んふふ、……あっ」  ぐじゅりと指を受け入れたそこは柔らかく、指からの感触だけでももう一度勃ち上がりそうだった。 「え? や、ごめ……」  内で動く指の感触に、慌てて謝罪を口にしようとしたるりを黙らせるために瘤をとんと叩く。 「ぁ、やぁ  んっ」  強制的な快楽にはっと揺らいだ蒼い目に、加虐的な本能がじわりと満ちる。 「やぁ……っそこっばっかり、ひ、あぁ! あ、ぁ、ぁ  」  強すぎない力でそこを刺激してやると、限界まで開いた口から掠れた声と涎がたらりと零れて喉元を濡らす。  「  らめっ  やぁ、っん、っ……ぁ、うぅ……あっ、あっ!」  長い指が快感を逃そうと、光の当たりようによっては金に見える髪を掻きむしる。  よがり狂うるりの姿がまだまだ見たくて、敏感なそこを弄りながら快感を主張して勃起するその根元を手できつく押さえつけた。 「あっ……あ、な  に……?」  こうすると、吐き出そうとする熱がぐるぐると内に堰き止められて出てこれないのは知っていた。  もちろん、出すことの敵わない焦れる苦しみも。 「やらぁっ! ゃ、らっひっ  あっ、ひぃ……」  るりの目から零れ落ちた涙は真珠に姿を変えるのではと思わせる。  そんな粒がぽろぽろと古い布団に染みて……  喘ぎと嗚咽で半狂乱になったるりが出さないまま気を遣ってしまうまで、そう時間はかからなかった。  よくできた蝋人形のように横たわるるりの脚の、どちらが出したのかわからない精液を指で刮ぐ。  それでも意識の戻らない体を、そっと撫で回した。

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