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濡羽と黄金 13

 肩から肋骨の浮く胸を弄り、臍をくすぐってから濃い金にも思える淡い茂みに触れた。  力なく項垂れた男の象徴にも指を這わせ、皮を緩く上下させる。  そうするとさすがに異変を感じたのか、小さく呻いて身じろぐ。    俺の手を振り払うように寝返ったのを幸いと、背中や尻にも触り、最後にいやらしく濡れて光るそこに指を入れた。  無意識に、きゅう と締めつける。  意識を飛ばした相手に何を……と思いながらも、それでもまだ力を滾らせている愚息を宛がう。  なんて非道なことをと頭の片隅で理解していながら、細い腰を掴んで一気に根元まで含ませる。 「────あ、あぁっ!」  ひきつけのように悲鳴を上げたるりがはっとした顔で、後ろから圧し掛かる俺を振り返った。 「う……う、うた  ろ?」  名を呼ばれても答えず、犬のように背後からるりの穴を犯す。  無理矢理だと言うのに胸を摘まみ上げて指の間で捏ねくってやると、嬌声を上げてもっととねだる。  その嘆願があまりにも愛らしく思えて、俺は気が触れたのではないかと思うほどに、その体を苛み続けた。  寝転ぶ白い背中に舌を這わせる。  甘味は……ない。  代わりに苦味が舌を刺し、苦笑しながらもう一度べろりと舐める。 「ゃ  んっ」  くすぐったそうにするが、るりの体は弛緩したままで動かない。  俺はその横に一緒になって寝転び、硝子芸術のような双眸を見詰めた。  ちょいちょいと、指先で鼻の頭の汗を拭ってやる。 「もう! 卯太朗がんばりすぎ」  ぷぅっと頬が膨らんで、その瞬間は年相応だ。 「溜まってたの?」  そう問われて、否定しようとしたがやめた。 「うん」  するりとそんな嘘が出た。  実際はことあるごとに翠也に触れさせても貰っていたから、性欲を持て余すなんてことはない。  けれど、俺の口から出た言葉はそれだった。  するりと手を伸ばして、るりの薄い尻臀を撫で廻す。 「ふぅん……そう。後援者がいると大変そうだね」  そう言うも、るりの顔はちっとも大変そうと思っていないそれで……  けれど、そう言うふうに言って貰えてほっとする自分がいることに気が付いた。   「ああ、そうなんだ」  軽い相槌のように言葉が出る。 「そかぁ……卯太朗は頑張ってるんだな」  今日もいい天気だ と言う言葉と口調は変わらない。 「    うん」  なぜかその返事には湿っぽい言葉が含まれていて…… 「なぁ。抱き締めてくれないか?」 「ぅん? はい」  脈絡のない突然の願いだと言うのにるりは何も聞かず、腕を広げて胸の中へと俺を入れてくれた。  ふくよかでもなく、骨の浮き出た胸で居心地はいいわけないはずなのに、頼りないるりの体温が伝わる度にしゃくり上げたい気分になってくる。  

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