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拡張バルーン

加藤「お尻に風船みたく膨らませる器具挿れるね。明日の朝まで挿れておけばだいぶ広がるから頑張ろう」 朝まで…… 勇人「やだ泣。」 佐々木「嫌だよねー、でももうひと頑張りだからさ?」 加藤「今挿れたバイブくらいの太さだから、痛みは強くないはずだよ?」 勇人「今の痛かった泣」 佐々木「ホント?しっかり入っていってたよ?今日頑張った証拠」 加藤先生と佐々木先生にうまい具合いに乗せられて、バルーンとかいう器具を押し込まれてしまった。 中の痛みももちろんあるんだけど、お腹と腰に鈍痛があってこっちの方が辛い。 特に腰がギリギリと骨が痛むような、骨盤を無理矢理こじ開けられているような痛みがして、涙が自然と出てくる。 ・ ・ ・ 夕飯が運ばれてきたが、ほとんど手を付けずに下げてもらった。 今日一日ほとんど食べてないからなのか、看護師さんから明日は食べるようにって軽く叱られた。 1日が長く感じる。 お昼寝しちゃったから、夜眠れるか心配だな。 なんかこのバルーンとかってやつ始めの時より太くなった感じがする。 腰がとにかく痛い。朝まで持つかな。 誰に言ったらいいんだろ。 言ったところで助けてくれるのかな。 このまま明日の朝まで放置されるのかな。1人でこの痛みを耐えるの嫌だな。 ・ ・ ・ 深夜0時 どうしよう。やっぱり眠れない。 ロールカーテンがしてあっても、部屋はナースステーションから漏れてくる光で割と明るいし、 どんどん膨らむバルーンでお尻の穴が裂けそうなほど痛いし、何より腰! 骨がギシギシ痛くてどの体勢とっても痛みが変わらない さすがに限界。 勇人「うっ……オエ。」 なんか気持ち悪い。 床にあったゴミ箱が目に入り、ベッドから飛び降りて、ゴミ箱に嘔吐した。

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