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食欲不振③

【竹内サイド】 青木「元腕見せて」 スマホを置き、青木先生に腕を差し出す元。俺の時とうって変わってめちゃくちゃいい子じゃん苦笑。 青木「食事まだ取れないのか?」 元「食べたい感じがしない」 青木「お腹空かないってこと?」 元「あんまり空かない」 青木「明日採血入ってる?」 竹内「入ってます」 元「えっ…採血もあるの?おとといしたじゃん」 青木「採血頻繁なのは今に始まった事じゃないだろ?今さら驚く必要ないだろ。 手握って」 元「…………」 目をギュッと瞑り顔を逸らしていた。俺ならこのプレッシャーに勝てなくて緊張して手が震えるんだけど、さすが青木先生…なんの躊躇いもなく血管確保してる めちゃくちゃ上手い…… 青木「手楽にしていいぞ」 元「明日採血の結果悪かったら、またホルモン注射ですか?」 青木「今はどちらかというとホルモンが過剰に出てる状態の可能性が高いと思うから別の治療かな」 元「別の治療って何??痛い?」 青木「痛くはない」 元「なんだ。」 青木「ただ熱が下がらないのは気がかりだけど。」 元「変??」 青木「んー。まだなんとも言えない」 元「点滴したら元気になれる?」 青木「少なくとも栄養状態は保たれるかな」 元「………」 青木「点滴落ちたよ、ゆっくり身体休めなよ。おやすみ」 元「…おやすみなさい」

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