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涙の朝診察②
【元サイド】
たぶん熱あるしなんか気持ち悪い。目覚めが悪すぎてトイレすらまだ行けてない。
佐々木先生と森田先生の気配があったけど、今あの2人と会話したら目の前で吐いちゃいそうだったから先に勇人のところに行ってくれてホッとした。
口の中気持ち悪いから水飲もうかな…
でも起き上がるの辛いしな。
なんかちんこ痛いのも気になる。
気持ち悪い。
!!
オェッ
やばい……
オェッ
元「ゲボッ」
小さなピンクの洗面器に手を伸ばし嘔吐していると、背中を摩られた
佐々木先生の匂いがする
佐々木「大丈夫?」
やっぱりね。
・
・
・
食べてないから吐いたものは胃液と唾液。それでもまだ気持ち悪さが込み上げてくる
思いの外熱もめちゃくちゃ高いし。
熱あるのに森田先生相変わらずの冷たさ。
森田「睾丸腫れてるな。痛くなかったの?」
元「……痛くない」
森田「痛くないの?」
元「あゔ」
ガシガシと睾丸とちんこを揉まれ痛くて身体を捩らせた
森田「痛いんでしょ?いつから?」
元「いたぃ…泣」
一旦手止めてよ…痛い…おしっこもしたい
元「…気づいたのは…3時頃…泣」
森田「看護師さんになんで相談しなかったの」
元「……具合い悪いの知られたくなかったから…」
森田「は?」
それよりおしっこ出そう
元「出る…泣」
森田「何が?」
元「おしっこ」
森田「トイレ行けるの?」
行ける気がしない……
元「無理かも…」
尿器が用意されて、森田先生と佐々木先生の前で排尿した。
佐々木「それそのまま尿検査出しておいて、あとでオーダー入れるから」
看護師「分かりました」
森田「このまま治療室で抜こうか」
佐々木「今空いてる部屋無いんですよね」
森田「中空いてるでしょ」
佐々木「なるほど、空いてますね」
中ってなんだ?
こんなに具合い悪いのに処置される感じ?
森田「元、車椅子は乗れる?」
乗れるけど……
起き上がりたくない。
森田「起きられない?」
元「……」
佐々木「抱っこしようか?」
元「いい。」
重い身体を起き上がらせて、ベッドの端に座った
元「はぁ…はぁ…」
一動作ごとに息が上がるし…クラクラする
森田「起きると酸素下がるな」
佐々木「治療室着いたら酸素投与ですね」
めちゃくちゃ大事になってきてる。やだな
森田先生が立ち上がらさせてくれ、車椅子にやっとの思いで移った。
佐々木先生に車椅子を押され、部屋を出た。
どこ連れて行かれるんだろ
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