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逃走②
【元サイド】
元「はぁ…はぁ…」
やばい…苦しい。
ベッドに寝かされて酸素マスクを付けられた。
森田「針挿れるよ」
元「…はい…」
森田先生の声がけいつも以上に冷たい。怒ってるよね……何も言ってこないけど。
チクッ
元「痛っ!!」
森田「動くな」
………絶対わざと痛いところに挿れた。森田先生に針刺されてもいつもなら痛くないもん。
加藤「ポンプにします?」
森田「逃走出来る元気あるなら自分で勃起出来そうなもんだけどね」
ドキッ……
加藤「たしかに。
呼吸整ったら一旦刺激してみますか」
森田「前立腺を刺激しようとしてたら逃げられたんだよね」
加藤「なるほど、じゃあ前立腺からいきます」
森田「うん、あとお願いしていい?俺この後勇人なんだよね」
加藤「はい、あとやっておきます」
・
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元「先生…具合い悪い」
加藤「森田先生いなくなったら急に甘え出したな。甘えても優しくしないよ?」
元「……なんで治療終わったのに具合い悪いの」
加藤「今ね、逆にホルモン分泌が活発になり過ぎててコントロール不良になってるんだよね」
元「…………退院は?」
加藤「まだまだ先。全然見通し立ってないよ」
…………
元「………ぅん。」
加藤「そろそろ呼吸落ち着いた?サクッと抜くよ」
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退院まだまだ先か……この間の大きい治療なんだったんだろ。
あの治療が終わったら退院だって勝手に思い上がってた。
また夏が終わってしまう。
元「痛い泣」
加藤「今日勃ち悪いな。バイブ入れるから深呼吸」
元「いって!!泣」
ブィーンブィーンブィーン
元「あゔぁぁぁ…やめてー!!泣」
俺は一生ここから出られないのかもな。
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