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治療選択②
【佐々木サイド】
佐々木「森田先生律見ませんでした?」
森田「見てない」
佐々木「さっきまでは部屋にいたらしいんですけど、今部屋見に行ったらいなかったんですよね」
森田「シャワー浴びてないならまた売店行ってるんじゃない?」
佐々木「行っちゃったかなぁ苦笑。見て来るかぁ……」
看護師「佐々木先生!律君いました!」
コンビニの袋をぷらぷらと持ち、ナースステーションの前を堂々と歩く律さん苦笑。
佐々木「律ー」
ナースステーションのカウンターから声をかけるとめんどくさそうに振り返ってきた
佐々木「これから面談室来れる?」
律「……いいよ」
律が買った物を部屋へ置いて来ている間に書類をテーブルへ並べて準備をして待っているとふらっと面談室の入り口に現れた
佐々木「入っていいよ」
律「治療の話?」
佐々木「そう」
律「やらないよ?」
佐々木「とりあえず入って座りな?笑」
深いため息をつき、とりあえず椅子には座ってくれた。
佐々木「森田先生から聞いたと思うけど、明日から前立腺肥大の治療始めるんだけど治療内容の説明と同意書書いてもらおうと思って呼んだのね」
律「エネなんちゃら挿れるんでしょ?」
佐々木「森田先生に聞いてた?」
律「前に加藤先生に挿れられそうになった」
佐々木「そうなんだ。
そのエネマグラとバイブでマッサージして肥大を治していくんだけど、3ヶ月くらい入院したら自己導尿いらなくなる予定なんだよね」
律「3ヶ月も入院したくない」
佐々木「短い方だよ?ホントはもう少し入院してほしいけど、律部活忙しいだろうから、あとは外来でフォローしていく計画だよ」
律「……それでもやりたくない」
佐々木「……何がそんなにいや?笑。自己導尿の時も始め嫌がってたけど慣れたら平気だったでしょ?」
律「……導尿は別に…1人でできるし……治療は色んな人にちんことかケツ見られるじゃん。痛がってるとことか見られたくない」
思春期の男の子らしいな。この時期の子はカッコいい自分でありたいとか、理想の自分像というのを持っているから、うちの診療科が取り扱っている治療をこのデリケートな時期の子にするのは本当に慎重にやってあげないといけない。
律は特に異性への意識が高いから女の看護師さんに何かをしてもらうとかが苦手な子なんだよね
佐々木「先生たちに見られるのは大丈夫?」
律「先生達はいっつも見られてるから別にいいよ」
佐々木「治療室誰も入れなきゃいい?」
律「……まぁ…そうだね」
佐々木「いいよ?先生と律だけでやろう」
律「……ぅん」
佐々木「話してくれてありがとうね」
撫で撫で
律「ちょ!!撫でないで!佐々木先生の悪いところだよ!笑」
佐々木「ごめん笑」
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