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過去編

【佐藤サイド】 入局1年目の初当直 朝から少し怠い感じはしていたけど連勤の疲れだと思ってあまり気にしていなかった。 まして初当直ということで少しだけ緊張していてそれどころではなかった。 まぁ言っても指導医の佐々木先生も一緒だから俺はおまけみたいなもんなんだけど。 佐々木「先生眠れた?笑」 佐藤「いやあんまり……」 佐々木「初当直緊張するよねー笑。俺森田先生と初当直だったから色んな意味で緊張して吐きそうだった笑」 指導医の佐々木先生は気さくだし、気配りをしてくれて本当に理想的な先輩。子供達からも人気だし、仕事が出来る人って感じ。 佐々木「今日の当直はラッキーだよ笑。集中治療室対象の子もいないし、みんな比較的安定してるしね」 佐藤「はい」 佐々木「まず当直入ったら各班で注意な子がいないか確認して、時間あったら病棟軽く巡回して体調悪い子いないか確認しておくといいよ」 佐藤「はい」 佐々木「あと夜はメンタル落ちる子もいるからロビーにずっといるような子は要注意ね」 佐藤「はい」 ・ ・ ・ 佐々木先生が言っていた通り病棟全体が落ち着いていて、のんびりとした時間が流れた。 佐々木「なかなか普段時間取れないから治療器具の説明しちゃうね」 佐藤「ありがとうございます」 佐々木先生が模型を使いながら器具の使い方を懇切丁寧に教えてくれてるんだけど、なんか頭が回らない…… 佐々木「佐藤先生聞いてる??」 佐藤「……!すみません」 佐々木「大丈夫?疲れた??」 佐藤「大丈夫です」 佐々木「顔色悪いよ? 体調悪いんじゃない??熱測ろうか」 佐藤「大丈夫ですよ笑」 結局38.6℃というとんでもない数字を叩き出してしまい、処置室のベッドで休ませてもらう事になった。

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