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甘えん坊帰院
【森田サイド】
あれからなんやかんや早いもので、今日は勇人と元が帰院する日。
朝たまたま佐々木先生とロッカーで会い一緒に病棟へ向かった
今のところ2人からの連絡は入っていないらしく一安心
佐々木「2人無事に帰ってくればいいんですけど苦笑」
森田「そうだね。
まぁ、この数日静かで俺は楽だったけど笑」
佐々木「そうですか?笑。甘えん坊いないと張り合いないんじゃないですか?笑」
森田「いやー?毎日メソメソ泣く子の相手してたら仕事が溜まる一方じゃん。」
入院棟に繋がるエレベーターはいつものように混雑していて、朝のこの時間はアトラクションかと思うくらいズラッと並んでいる
ん?
エレベーター待ちの行列とは別に、今日は待合室のイスを囲むように看護師さん達が集まっていた。
佐々木「どうしたんですかね?」
森田「ね?」
看護師「今日入院??」
看護師「どこの病棟かな?」
少し気にはなったがちょうどエレベーターに乗り込むタイミングのため先を急いだ
『電話しなかったから先生達に怒られちゃうから言いたくない!泣』
森田「……ん??」
ものすごく聞き馴染みのある声……
森田「佐々木先生待って」
佐々木「どうしたんですか?」
エレベーターに乗り込もうとしていた佐々木先生の腕をグイッと引っ張った。
森田「あれ、勇人だな。」
佐々木「え??」
・
・
・
看護師「顔色悪いよ?病棟連れて行ってあげるから教えて??」
佐々木「すみません、この子うちの病棟の子です。ありがとうございます」
看護師「あっ……良かったです///」
森田「勇人」
勇人「…………」
蒼白い顔で朝早くからメソメソ泣いてたら、そりゃあこんだけの人数の医療者集まっちゃうよな。
森田「おかえり」
勇人「…グスン…っ…泣」
森田「なんか厚着な感じがするんだけど寒い?」
勇人「……ちょっと…泣」
森田「少しでも体調悪かったら連絡だよって言ったよ?」
勇人「……ぅ…ん…泣」
森田「外泊満喫しちゃった?」
勇人「………しちゃった泣」
森田「じゃあ治療頑張れるね?」
勇人「がんばれないぃぃ泣」
甘ったれめ……先が思いやられる苦笑。
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