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甘えん坊帰院③
【勇人サイド】
夜中からなんとなく具合が悪くて何度も目が覚めてしまったけど、夜中に病院に連絡して今すぐ来てって言われても嫌だったから、朝まで騙し騙しやり過ごした。
出された朝食も全く手を付けられず、家族から心配もされたけど、またとない外泊のチャンスをギリギリまで満喫したくて、病院への連絡を渋ってしまった。
病院まで送ってもらって、病棟まで付いてくると母に言われたけど、具合が悪いのが先生や看護師さんにバレたくなくて、病院の玄関から1人で歩いて戻った。
でも段々気持ちが悪くなってきて、目の前が歪んだ感じがして、近くにあったイスに倒れ込むように寝転がって休憩していると、徐々に人が集まって来てしまった。
そしてまさかの森田先生と佐々木先生の登場で、体調悪いのがバレてしまったという後ろめたさと、助けてもらえるという安心感が入り混じって涙が止まらなくなってしまった。
森田先生も佐々木先生も色々察して、怒らずに優しく対応してくれて、3人で車椅子で戻って来て今に至る。
覚悟はしてたけど、採血に両腕の点滴…胸には心電図…足は固定されて動かせない……
病院に戻って来てしまったんだと思ったらイヤイヤの気持ちが止まらない!!
森田「勇人、点滴始めてるからこっちの腕安静にさせてて」
勇人「やだっ!動かしたい」
佐々木「これ大事な薬だから点滴漏れちゃったら困っちゃうなー」
勇人「腕だけでも自由にしたい」
加藤「体調安定するまでは治療優先だよ」
そんなの知らないもん……
勇人「腕曲げてた方が楽なんだもん」
佐々木「熱上がってきたかなー苦笑」
森田「なんかグズるね。
熱もだけど、眠いのかもよ」
佐々木「あぁ…それもありそうですね」
加藤「竹内先生、シーネ持ってきて」
竹内「……なんすかそれ…」
加藤「は?」
佐々木「看護師さんに教えてもらって持って来てくれる?」
竹内「分かりました!!
………なんでしたっけ?」
加藤+佐々木+森田「シーネ!」
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