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一時預かり
【加藤サイド】
勇人からの体調不良アピールを聞きながら、サクサクと点滴の準備を進めた。
勇人「目の前グラグラするのー。船乗ってるみたい」
加藤「船乗った事あるの?」
勇人「あるよ、小学生の頃」
加藤「修学旅行とか?」
勇人「修学旅行もだし、家族旅行でも乗ったー」
加藤「いいなー笑」
勇人「それよりね、なんか熱が上がりそうなくらい具合悪いから寝てもいい?」
加藤「寝るのはいいよ。処置の時起こすけど」
勇人「点滴は起きてからしたいの」
加藤「点滴ならもう始まってるよ?」
勇人「え!!」
勇人の間抜けな感じ、こういう時助かるんだよなー苦笑。普通気がつくだろ。
勇人「無理やだ吐いちゃう」
加藤「まだ吐かないと思うよ?」
勇人「吐くの!泣」
またすぐ泣く……苦笑。
勇人「うぅ……なんかお腹も痛いしちんちんも痛いし、お尻も痛い気がする」
加藤「それは大変ですねー。
ちょうどちんちん処置する予定でしたー。」
勇人「へ!?こんなに気持ち悪いのに??」
加藤「点滴と処置セットの治療って言ったじゃん」
勇人「吐き気止めの薬使いたい!」
加藤「吐いたら吐き気止め使ってあげるから」
勇人「森田先生なら吐く前に使ってくれる!」
加藤「今使ったら6時間くらい間空けなきゃいけないけどいいの?」
勇人「えっ……んぅ…その時は…森田先生に相談する……」
加藤「森田先生しばらく来ないよ?勇人の治療も当分予約入ってなかったし」
勇人「え???」
勇人が森田先生の治療に慣れ始めていて緊張感がなく甘えも出ているから一旦勇人の治療から離れて様子をみたいらしい
この甘えん坊を突き放すなんてさすがサディストだよな苦笑。
というわけで、しばらく俺がこの甘えん坊を預かることになってしまった。
元ちゃんのために俺の治療スケジュールを確保していたらしいけど、元ちゃんが幸い安定しているからその空いた時間をそのまま勇人の治療にスライド
たっ君も酷いよなー。
佐々木『加藤先生暇になるから、勇人よろしく!』って丸投げだもんなー
俺は暇でいいのにー
森田先生からの預かりっ子だから案外気を使うんだよな苦笑。
躾しつつ、ハイブリッド治療だから厳し過ぎても辛いだろうから緩めるところは緩めてあげなきゃな。
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