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上手くいかない
【加藤サイド】
加藤「甘えん坊大人しくなった?」
佐々木「うん、面白い動画見つけたらしくてずっと見てる」
加藤「元連れて来るから勇人部屋から出ないように見張っててね」
佐々木「うん。面談室使わないの?」
加藤「面談室に呼ぶとそれだけでメンタル不安定になるからいいや」
佐々木「あぁ…そうだねー。
元、貧血の方はどうなの?」
加藤「そっちもイマイチ。薬追加必須」
佐々木「勇人も貧血なんだよねー。」
加藤「貧血コンビ」
佐々木「勇人と元だとリアクション全然違うだろうねー」
加藤「元ちゃんのリアクションがこわい苦笑。」
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加藤「ここ座って」
元「話し長いの?」
加藤「とりあえず座りな?」
みんなが各々パソコンをしたり、書類を記入したり作業ができるナースステーションの広いテーブルに元を連れて来た。
これくらい畏まらないような場所に連れて来た方が元の場合は不安定にならないはず
加藤「採血結果一緒に見ようか」
2人で採血データをプリントアウトした用紙を覗き込んだ
元「これ今日のだよね?」
加藤「そう今日の」
元「…………」
ホルモン値が表示されている箇所をじっと眺め無言になった元の横顔を見つめた。
加藤「……解説いる?」
元「……いらない…ダメな数値なの俺でも分かる」
加藤「…そうだよねー。
……今後の治療の話もしていい?」
元「治療はしない!!」
採血データの紙をクシャッと丸め床に投げ捨て立ち上がる元の腕を掴んだ
加藤「落ち着きな」
元「加藤先生嘘つき!!泣。俺退院出来ないじゃん!!!」
加藤「出来ないとは言ってないよ、数値もものすごく悪いわけじゃないんだよ?ちょっと薬で補正が必要なだけ」
元「嘘だ!泣。ハァハァ……」
加藤「過呼吸なるよ、おいでこっち」
元「加藤先生の方は…ハァハァ…いかない!!ハァハァ…泣。」
佐々木「加藤先生代わるよ」
加藤「助かる」
床にペタッと座り込み泣き続ける元……
まぁ俺は基本的に元ちゃんのサンドバッグな役割だからあとは佐々木先生にメンタルケアをお願いして俺は身を引こう
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【佐々木サイド】
佐々木「元、一旦立とう」
元「放っておいて!」
佐々木「そんな事言わずおいで、辛い話嫌だったね。頑張ってお話し聞けて偉かったよ」
元「もう嫌!なんで俺ばっかりずっと治療しなきゃいけないんだよっ泣」
佐々木「うん…そうだね…元いっぱい頑張ってる」
とにかく一旦なだめなきゃな……
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