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告白 9

湊くん・・・ ベットの上でぼんやりと考える。 『俺、舞歌さんが好きです』 僕も以前そうやって告白した事があったな・・・ その時・・・ 今日の僕が湊くんにした様に謝られたっけ・・・ 『ごめんね・・・』 僕はそう言われるのは分かっていて告白したけれど・・・ 湊くんは? 僕の事どれぐらい想ってくれてるのかな? 僕が好きになった人への想いは 今の湊くんと同じぐらいだったのかな? 『薫さんが好きです・・・』 そう伝えたら薫さんは笑って 『ありがとう』 その後に 『気になる人がいるから・・・ごめん・・・  舞歌の気持ちには答えられない・・・』 そう言って悲しげな顔をした。 まるで自分が悪い様な表情で・・・ あの時の薫さんの顔が今でも忘れられない。 今日の僕の顔はどんな風に 湊くんの瞳に映っていたんだろう・・・ 僕が薫さんを好きになったのは笑顔とあの声。 僕には無いものを全て持っている薫さん・・・ あの恋は憧れからだったのかな? じゃぁ・・・湊くんは? 僕は憧れられる様な存在じゃないし・・・ 特別魅力的ってわけでもないのにな・・・ 僕の何処が湊くんは「好き」なんだろう? 湊くんの気持ちに応えてあげたいけれど・・・ 今はまだ自分のあの時の薫さんへの気持ちですら はっきりしていないから・・・ 湊くんに応えてあげたくても どうして良いか分からない。 れいは今頃・・・どうしてるんだろう? 累ときちんと話が出来たんだろうか? 僕は心配になって累に電話してみた。 「もしもし・・・累?」 「舞歌・・・」 「夜分にごめんね・・・」 「良いよ」 「ごめんね・・・あの・・・  こんな事訊くのはどうかな?って思うんだけど・・・  れいと話、出来た?」 「・・・・」 「ごめんね・・・変な事訊いて・・・  話したくなかったら話さなくても良いよ・・・・  ただ・・・」 「ただ?」 「れい・・・僕の前でも無理して笑顔作ってるから心配で・・・  ごめんね、累・・・」 「舞歌・・・俺、れいを泣かせてしまった・・・」 「そう・・なの・・・?」 「泣かすつもりはなかった。  でも・・・・」 「そっか・・・全部話さなくて良いよ。  累もれいも辛いね・・・」 「舞歌・・・」 「で、これから累はどうしたいの?」 「れいの気持ち・・・  何時か受け止められる様になりたい・・・って  そう思ってる」 「そうなんだ・・・  その累の気持ち、れいは知ってるの?」 「いや・・・」 「累、れいにそれ伝えてあげないと・・・  れいが可哀想だよ・・・」 「そうだよな・・・」 「ごめんね、こんな事言って・・・」 「いや、良いよ。  舞歌の言いたい事よく分かるから・・・」 「ごめんね・・・」 「舞歌、謝んなくって良いって・・・」 「ありがとう・・・  じゃ、また明日・・・・」 「おやすみ」 「おやすみ」 電話を切った後・・・ 僕も湊くんに明日、全部話そうと思った。 薫さんの事も 今の僕の気持ちも 全部話して、それから考えよう・・・ これからの事を・・・ できれば・・・ 湊くんと僕と・・・二人で。

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