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恋愛 4

湊くんは僕を安心させる様に 何度も何度も優しく囁いてくれる。 「愛しています」 なのに・・・ 僕はどうして良いのか分からずただ震えるだけ・・・ この後、何が起こるのかは 何となく想像はつくのだけれど・・・ でも・・・ でも・・・ やっぱり怖い。 「湊くん、ごめん!!」 「舞歌さ・・・ん・・・?!」 「やっぱり・・・怖い・・・・」 「え・・・?」 湊くんが鳩が豆鉄砲を食った様な顔になる。 僕はそんな湊くんの顔に噴出してしまう・・・ 「ごめん!」 「舞歌さん?!」 「だって・・・  あんまり可笑しい顔するから・・・」 駄目だ・・・ 笑いが止まらない。 男前な湊くんがこんなビックリした顔するなんて・・・ ごめん。 「あの・・・舞歌さん・・・?」 「ごめんね・・・  湊くんの顔があんまり可愛いから・・・・」 「えっ?!」 ・・・可愛い・・・ 湊くんってこんな人だったんだ。 僕はまだ・・・ 湊くんの事・・・ 殆ど知らないんだな・・・ なのに・・・ 抱かれようとしていたんだ。 それって変だよね・・・? うん・・・ 変だよ・・・ それに・・・ 怖いし・・・ 誘ったのは僕だけど・・・ やっぱり今日は・・・ 「湊くん・・・・ごめん・・・  今日はこのまま一緒に寝るだけじゃ・・・  駄目・・・かな?」 「ちょ・・・舞歌さん~~!!」 「だって・・・  これから何が起きるかだいたいわかるんだけど・・・  やっぱり、その・・・心の準備が・・・  あの・・・もっと、勉強しておくから・・・」 「舞歌さん、勉強って・・・?」 「僕、その・・・男の人とは・・・  経験・・・が・・・あの・・・」 「は?」 「経験が無いの!」 湊くんが「は?」なんて言うから また大きな声を出してしまった・・・ 恥ずかしいのに何度も言わせないでよ! 湊くん・・・ 君は僕をどう思っているのか分からないけど 僕は初めてなんだよ・・・? 気付いて・・・ないの? 「舞歌さん・・・」 「恥ずかしい事・・・  何度も・・・言わせな・・・い・・・」 最後まで言う前に 湊くんに唇を塞がれてしまった。 「あ・・・・っ!」 嫌だ・・・僕・・・ もしかして・・・感じてる? キスだけで・・・? 恥ずかしいよ・・・ 湊くんにバレてないといいけど・・・ どうしてあんな事言ってしまったんだろう・・・ 今更後悔の嵐に巻き込まれてる自分が情けない・・・ 『抱きたいの?』 なんて・・・ 言わなければ良かった・・・ そう思ってたら・・・ 「舞歌さん・・・  俺、今更止められません・・・!」 「え?・・・  いや・・・あっ!  やめ・・て・・・・」 「ごめん、舞歌さん優しくするって言ったのに・・・」 「・・・っ!」 真剣な瞳で見つめて来る湊くんが 僕に覆い被さってきた・・・ まだ・・・ 心の準備もできてないのに・・・

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