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恋愛 6

僕は怖かったはずなのに・・・ 何時しか・・・・・感じていた。 湊くんの優しさと熱に・・・ とても幸せな気持ちだった。 肌と肌を合わせる事が こんなにも優しく愛しいものだったなんて・・・ 湊くんとだったからだと思う。 湊くんとだったから感じた。 湊くんとだったから行為への不安も我慢出来たんだと思う。 ・・・湊くんが優しいから・・・ 僕はその優しさに包まれて幸せを感じる。 「湊くん・・・ゴメン、ね・・・」 「何がですか?」 「あの・・・怖いから嫌、だって・・・」 「ああ・・・そんな事・・・  気にしないで下さい」 「本当・・・に?」 「はい。  だって・・・舞歌さんと一つになれたから・・・  前後はどうでも良いです!」 「湊くん・・・大人だね・・・」 「え?そうですか・・・?  ・・・可愛い先輩の為なら・・・」 「可愛いは余分!!」 「すみません・・・」 二人の視線が重なって自然と零れてくる笑み。 薫さん・・・ 僕も・・・ やっとこうやって・・・ 笑い合って愛し合える人とめぐり逢えました。 これが恋しくて、愛しい・・・ 恋愛というものなのかな? でも・・・ 僕は今・・・ 湊くんの腕の中で幸せに笑っているんだよね? これが恋愛じゃないなら・・・ そんなの淋し過ぎるよね? 「湊くん・・・  僕は湊くんと・・・付き合ってる事になるの・・・かな?」 「え?  何を今更・・・」 「だって・・・  恋とか愛とかって何かよく分からないんだ・・・  抽象的というか・・・曖昧で・・・  僕にはよく分からないんだ・・・」 「舞歌さん・・・」 「こうして、湊くんの腕の中にいて今、凄く幸せなのに・・・  変だよね・・・?」 「舞歌さん・・・  俺といて幸せですか?」 「うん」 「本当に?」 「うん、幸せだよ?」 「ああ・・・良かったぁ・・・」 「どうして?  変なこと訊くの・・・?  湊くんといて幸せだよって言ってるでしょ?」 「変って・・・  それを言うなら舞歌さんも変ですよ!」 「どうして?」 「どうしてって・・・  付き合ってるの?なんて訊くから・・・」 「あ・・・」 「こうして二人で幸せな気持ちなら恋とか愛とか  そんな言葉に拘らなくても良いじゃないですか?」 「・・・そう、だね・・・」 「そうですよ!  俺は舞歌さんが好きです。  それじゃ駄目ですか?」 「ううん」 「じゃ、舞歌さんは?」 「僕も湊くんが好きだよ!」 「それじゃ・・・両想いですね!」 「うん」 「じゃ、好きだから一緒にいて・・・  こうして昨夜は愛し合ったんですよね?」 「あ・・・!」 「舞歌さん・・・それが答えですよ」 湊くんが僕の心を優しく溶かしていってくれる。 ・・・温まっていく想いが心地いい・・・ 「湊くん・・・  今頃、累とれいどうしてるかな?」 「そうですね・・・」 「湊くんと僕のように幸せなら良いな・・・」 本当にそうなら・・・ 幸せなら良いな・・・ 湊くんが僕の心を溶かしてくれたように れいの累への想いが伝わって 二人の間に出来た蟠りを溶かして欲しい。 れいの累を想う気持ちは 湊くんが僕を想ってくれた気持ちと一緒のはずだから。 僕は二人に繋がれている絆を信じたい。 優しくて温かい湊くんの腕に抱かれながら 心からそう思った。

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