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第3話
首輪の一部が異常知らせて赤く光って異常音がなり響いた。それに振動もする。そのせいで痛みはますます強くなる。
「これ外せないのか?」
「……わた、しじゃ、わか、らない」
異常があれば和人に連絡がいく。だから、今頃は和人に通知が届いているだろう。
「下から通っているから、上に持ち上げたら?」
葉山に言われて、桐生が僕を持ち上げてみるがおもちゃの隙間に引っかかって取れそうにない。
「これ、取れそうにないよ」
子ども用のおもちゃだけあって怪我をしないように簡単には壊れない作りになっている。階段に固定するための金具も葉山の力では外せそうにない。
「沢木、切ろう」
桐生はそう言うと葉山にペンチを取ってくるように言った。
抱き上げている桐生の腕も震えてくる。
男の体重を抱き支えているのだから仕方がない。少しずつ落ちているのを感じる。落ちると余計に首は締まっていく。
「ペンチっ」
急いで持ってきた葉山が桐生に手渡す。
「少し我慢しろ」
脚立に僕を立たせる。息はできなくなるが、桐生は急いで脚立に足をかけて登ると首と首輪の隙間にペンチを差し込んでガチガチと何度も噛み合わせた。
『ガチンッ』と首から音がして解放されるのと同時に脚立が倒れた。桐生と一緒にリビングの床に倒れ込んだ。
「だ、大丈夫っ!!」
「ゲホッゲホッ……ゲホ……はぁ、はぁ……」
急に呼吸が回復して咳き込んで背中を丸くして咳き込んだ。
「おい、大丈夫か?」
桐生が背中をさすって心配する。
「だ、だい、丈夫……はぁ、はぁ、はあ……」
死ぬかと思った。
ゆっくりと起き上がって首をさする。手にはヌルッとした感覚があって手を見ると血がついていた。
「ああ、血も出てるし、アザができてるよ。冷やした方がいいかな?」
葉山は慌ててキッチンに向かっていった。酷い痛みを感じる。それに呼吸がしずらくて、嚥下しにくい。
唾も飲み込めずに血が混ざったよだれが口端から流れ出る。それを手で拭う。
葉山が持ってきた保冷剤を首に充てた。タオルも渡されて口を拭った。
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