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第51話

 グチュグチュと音を立てて中で指を動かされて、「ここを、されると締まる」と腹側の壁を押されて、「ああっ…」悲鳴に似た声をあげた。出し切ってもう出ないと思ったそれから透明の液体がドロリとこぼれた。  もう片方の足も肩に乗せられて、ベッドから腰が浮く。 「もっと、もっと感じてるひなたが見たい」  舌なめずりをするように唇を舐めた和人に身体が、ズクンと疼いた。  奥から熱いものが溢れて、ぐずぐずにとかされていく。  指よりももっと奥を突いて欲しい。   時折意識が飛んで、起きた時には2人で軽く食事をして、一緒に風呂に入って、何度も口づけをして声が枯れてしまうまで喘がされて。目が腫れるほどに泣かされて、甘い香りが落ち着くまで。  発情期は1週間続く。限界を迎えて和人が抑制剤を飲ませた。  抱き合ってぐっすりと眠った翌朝には新しいシーツを数枚購入した。 「え? 帰るの?」  和人に言われて頷いた。  帰さないと和人には言われたし、桐生にも帰れないとは言ったけど、アパートもあるし、仕事もあるし、携帯を新調したりするのに身分証明書やパスポートだって必要だ。  和人と新生活をスタートさせるのだってこのままここにいても無理だ。 「もう、手続きしたよ」 「え?」  リビングのテーブルの上には和人が用意した夕食が並べられている。 「発情期の休暇は明後日までだから、明日はひなたのアパートに行って最終確認をして、会社に手続きをしに行こう」 「勝手に……」 「ひなたは優柔不断だからねぇ。俺引っ張らないとすぐに逃げ出してしまいそうなんだよ」 「逃げたりは、しないですよ」  逃げたりはしていないと思うけど、優柔不断なところは認める。 「しばらくはここに一緒に住むよ。アキにも連絡はしてあるから手続きもすぐに済むよ。再就職先もちゃんとあるから安心して」 「僕はどこに就職するんですか?」  再就職先は和人の新しいレストランだろうけど、夏までは大分さきだ。 「俺の会社のスタッフ」  和人の会社? 桐生とは違うってことだろうか。 「和人の会社ですか? 桐生じゃなくて?」 「そうだよ。桐生家の会社とは別ね」

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