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幸せな時間✦side秋人✦2 ※
「これからは何度も聞けるね、秋さんの可愛い声」
「……お……前、いい加減にしろよ……」
なにも警戒せず無防備でいる蓮の中心のそれに、俺は手を伸ばして握り込んだ。
「あぁっ! え、ダメ! 無理、無理だからっ」
逃げようとする腰を足でガッチリ抑え込み、ガチガチのそれを数回しごいてやると、蓮は小さくうめいて呆気なく俺の手に精を放った。
「え、早っ」
「…………秋さん……ひどい」
泣きそうな声を出して両手で顔を覆い、隣にゴロンと背中を向けて寝転がった。
俺を気持ちよくさせるだけでこんなに限界だったのかと思うと、あまりに可愛すぎて思わず笑みが漏れた。
「……だから……ダメだって言ったのに……」
「俺も、やめろっつった」
「…………同じだね」
「うん、同じだな」
はぁぁ、と深く息をついて、蓮はむくっと起き上がった。真っ赤な顔で俺の手をティッシュで拭うと、覆いかぶさるように抱きしめてきた。
俺もぎゅっと抱きしめ返す。
「お前、やっぱ可愛いな」
「……秋さんのほうが、可愛いからねっ」
「ん。そういうことにしとくか」
クスクス笑う俺に、蓮は真っ赤な顔のまま、射るような目つきで噛みつくように唇を奪った。
何度も角度を変えてチュッとリップ音で離れては、またキスをする。
出したあとも終わらない……甘い時間。
本当に俺たちは恋人になったんだ……。
幸せすぎて……怖いくらいだ。
「秋さん、これ使うね」
チュッとキスを終わらせて起き上がった蓮が、サイドテーブルからローションを手に取って言った。
「……ん」
いよいよだ……と思い、心臓が暴れた。
不安や恐怖心は、欠片もなかった。
もう俺は、とにかく早く蓮がほしいんだ。
「あ、イッたばかりだから、まだつらいかな?」
「そんなの……いい。大丈夫だって」
「……痛かったりつらかったりしたら、絶対に言ってね」
「ん」
痛くても絶対に言わないけどな、と心の中で答える。
痛くてもいいから早く蓮がほしい。
もう本当に蓮は俺のものなんだと、早く安心したい。
数時間前までの俺は、撮影が終わったらもう二度と蓮に会えないかも……と絶望していた。
最悪なことを想像してしまったからか、蓮と離れるのが死ぬほど怖い。失うのが怖い。
だから、もう本当にこれからはずっと一緒なんだと、早く安心したい。
もう俺たちは、ちょっとやそっとじゃ壊れない仲なんだと、もっと信じられるようになりたい。
もっと蓮に近づきたい。
早く蓮と、繋がりたい――――
ローションで準備した俺の後ろに、蓮の指がそっとふれた。
「痛かったら絶対言ってね」
「分かったってば」
俺が苦笑すると、蓮は少しホッとしたような顔をした。
蓮の指が少しづつ入っては出て、また少しづつ入っては出る。だんだん深くなっていく。
「……ぅ、……ぁ」
「秋さん……痛い? 大丈夫?」
「……ん……大丈夫……」
「……本当に大丈夫?」
何度も心配そうに確認する蓮に、俺はまた苦笑した。
ドラマ出演が決まって、色々調べた過程で男同士のやり方を知った。
蓮は、専用ではないが、指にちゃんとゴムをはめた。指にも俺の後ろにもこれでもかってくらいに、ローションを垂らした。
あのときに見た、まるでお手本のようなやり方で、こんなに優しく進める指が痛いわけがない。
蓮が優しすぎて胸がぎゅっと切なくなった。
「本当に全然痛くねぇよ……。すげぇ優しくしてくれてるから……」
「……よかった」
蓮の表情がやっと安心したように和らいだ。
繋いでる手の指をスルスルと撫でると、蓮はギュッと握り直して優しく微笑んだ。
本当に……大好きだよ、蓮。
好きすぎておかしくなりそうだ。
もう好きなんて言葉じゃ、言い表せないくらいに……。
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