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レオに対する嫉妬

 俺と渚は顔を見合わせると、レオに促された通りに取り付けられている足場を使ってリーアの背中によじ登る。  乗るときにレオが先に上に乗って手を引っ張ってくれたので、それほど苦労をしなかった。 上に来てみてわかったが、巨体もあってリーアの背中の上は結構広い。 「二人とも念のため、俺の前に来てくれると助かるな」  そう言われ、俺と渚はレオの前に移動する。 「あの……これ、振り落とされたりとかしないですよね?」  渚が恐る恐るレオにそう聞くと、レオは一度キョトンとした顔で目を瞬かせてから大きく頷いた。 「俺が魔法を使って空気の流れをなくすから問題ないよ。何かあったときすぐわかるように念のため前に来てもらっただけ。もし不安ならここにおいで。手を握っていてあげるから」  レオが安心させるように微笑んで隣を指差した。  そんなレオの申し出に渚はほっと胸を撫で下ろしてレオの隣に移動する。 「ありがとうございます。よければ、握っていてもらえると嬉しいです」 「…………」  俺はそんな二人を振り返って無言で見つめる。  主に、握り合う手を。  心の中にフツフツといいしれない怒りが沸き起こってきて、息をするのも忘れるほどだった。 (俺の方が渚を安心させてあげられるのに……)  なるべく怒りが顔に出ないように努めた。  さっき出会ったばかりの相手に気を許し過ぎじゃないか、と言いたい気持ちを必死に押し殺すが、そんな俺の葛藤を余所にレオがリーアの手綱を引いて進むように促す。 「リーア、ガイドセンターへ向かって」  リーアはその指示に少し身を屈めると、足をバネにして空へと飛び上がった。 「あわわっ」  渚がビックリしてレオにしがみつく。  空気の流れがないとはいえ飛躍するときの揺れは抑えられないらしい。 「おっと。大丈夫?」 「あ……は、はい! 大丈夫です」  渚はレオの胸にしがみついたまま慌てて返事を返した。  だが、抱き合うようになっている二人に、俺の方が我慢が出来なくなり、怒りに任せて渚の腕を強引に引っ張る。

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