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レオに対する嫉妬 2

「ふにゃぁっ?!」  急なことにビックリしたのか、渚が変な声をあげる。  だが怒りで冷静さを欠いている俺は、声が聞こえても気を遣う余裕はなかった。 「怖いなら俺が手も握ってやるし、抱きしめててやる」 「へ? い、いや、びっくりしただけだから……」  戸惑いつつ腕の中で縮こまる渚をチラリと見て、俺は、未だ黙ったまま笑顔でこちらを見つめるレオを睨みつけた。 「まだ俺は、お前を信用したわけじゃない。どうすることもできないから、とりあえず案内してもらおうと思ってるだけだ」 「そうだね。俺と君たちは初対面だし仕方ないのかも。でも、スザクみたいに敵対心を向けてきた異世界人は初めてかな」  レオは張り付けたような笑顔で俺の言葉にくすくすと笑った。  その笑顔が信用ならないんだということを、本人は分かっているのだろうか。  どのみち、大事な渚をこんな奴に任せるのはあまりにも不安が大きすぎる。  嫉妬も……なくはないが……。 「荒玖っ! そういう言い方はよくないぞ! レオは好意的に俺たちを助けようとしてくれてるっ」 「どうだろうな。もしかするとこのままガイドセンターなんてところに行かずに、危険な場所に連れていかれる可能性もある」 「…………」  俺のそんな言い方にレオは特に何も言い返さなかった。  代わりに懐から長方形の小さな紙を取り出すと、それを俺の方に差し出してくる。 「ごめんね。これを渡す方が先だったのかもしれない」  俺は差し出されたその紙をしばらく見つめてから、恐る恐る手を伸ばして紙を受け取り、書かれている文字に視線を落とした。

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