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LPシステムと世界の仕組み 2

「一応説明すると、LPは最初は全員に10LP用意されているんだ。一回魔法を使うたびに、1LP消費するようになってる。この世界には電力はあっても火やガスが無い。だから、料理をするときとかに火をつけたり、武器を召喚するのにLPを使う必要がある。後は、元素魔法を使うときとかな」 「待ってくれ。武器ってこの世界には何か戦ったりしなくちゃいけないことがあるのか? 元素魔法ってなんだ?」  確かに渚の言うことはもっともだ。  俺と渚がここに初めてきた草原にはとくに何かいるような感じはなかったが、ゲームのような魔物や何かがいるということになるのだろうか。  それにしてはやけに平和に見える。 「二人がいた草原。あそこは安全区域だから見なかっただけだよ」  俺のそんな疑問を読み取ったのかレオが横からそう説明を挟んでくれる。  そのレオの説明を継ぐようにリルが話を続けた。 「安全区域ってのは名前の通り魔物が全くいない区域のことだな。で、その逆の危険区域。こっちが魔物がいる場所だ。魔物も習性があって群れになって生活してるんだ」  どこにでもいるという感じではなく、場所を限定して棲み分けしているということらしい。 「で、最初のLPの話に戻ると、このLPっつーのは最初は上限が10しかないだけど、危険区域内に出現する|秘境《ひきょう》の中に入って条件をクリアすることで1LPあげることが出来るんだ」 「へぇ……」  聞けば聞くほどゲームのような世界だなというのが正直な感想だった。  魔法を使うためのLPシステム。  その上限と秘境と呼ばれるものの存在。 「その秘境ってなんなんだ?」  渚がリルにそう聞くと、その質問に答えたのは冬季だった。 「秘境っていうのはこの世界の次元を再構築して作られたLP上昇専用の別次元空間のことだ。んで、二人にわかるように言えば、この秘境に入って設定されたミッションを全てクリアすればLP上限が増えるんだよ」  元・異世界人なだけあってゲーム風に分かりやすく説明してくれる冬季。 「この秘境内にも手強い魔物がいるから、武器や元素魔法を使ってクリアする必要がある。秘境を出ると武器とかも消えるから注意が必要だけどな。危険区域では、区域内を一歩でも出ると武器が消える仕組みになってる」

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