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★君のぬくもりに触れて。
そのまま、柔らかそうな渚の唇にそっと自分の唇を触れ合わせた。
「んぅ……っ」
渚は一瞬驚いて目を見開いたが、それでも俺の口づけを受け入れてくれる。
柔らかい唇の感触とそこから伝わる熱が、凄く心地よくて。
あぁ……俺、渚と……キスしてる。
これ、夢じゃないんだよな……?
その現実に、心の中が温かいもので満たされていくのを感じた。
「ンっ……、ちゅ……」
啄 むような口づけを交わしながら、華奢な腰に腕を回して抱き寄せ体を密着させた。
「ンンン……っ!? ちゅ……、んふ……っ」
突然のことに渚がびっくりして体を跳ねさせて俺の胸を押すが、逃さないように腕に力を込めて更にきつく抱き寄せる。
「ふ……っ、ちゅ……、ぁ……っ、ンぅ……っ」
苦しそうに鼻で息をする渚の唇から、ほんの少しだけ自分の唇を離して息継ぎを挟んだ。
「ぷは……っ、はぁ……、は……っ、渚……」
「はぁ……っ、い、きなり……っ、なに――ンんぅ……っ?!」
何か言おうとするその唇にもう一度自分の唇を重ねにいくと、少しだけ開いていた口の中に自分の舌を割り込ませて、逃げようとする渚の舌に絡めて深く触れ合った。
「ンンっ!? ふっ……、ンン……っ、ぁ……っ、んふっ……、ちゅっ……、んぅ……っ!」
頭がぼぅ……っとして何がなんだか分からなくなっていく中、ただ気持ちいいという感覚だけが脳の中を支配していた。
(……これ、セックスまでいけるか……? 今でも、やばいのに……)
絡めた俺の舌からなんとか逃れて逃げる渚の舌を追いかけて捕まえると、逃さないように自分の舌で拘束し、その柔らかな唇を必死に貪る。
唾液の混じり合う音が耳を犯して、時々漏れる渚の声を聞くだけで理性がどんどん奪われていく。
キスってこんなに、気持ちいいんだ……。
よく、キスだけで性的に興奮できると聞くが、確かにそうだなと思えるほどに気持ちよかった。
「ぁ……っ、ンンっ、ぢゅるっ、ぢゅぱ、ちゅっ……、はふっ……、すざく、ちゅっ……、んぅ……っ、ぷはっ、はぁっ……」
絡めていた舌を解放してゆっくり唇を離すと、唾液の糸が互いの舌を繋いで、その光景が更に興奮を掻き立てた。
チラリと渚の顔に視線を向ければ、その蒼い瞳がさっきと違ってとろんと蕩けて、頬がほんのり赤く染まっている。
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