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第2話

 ふわりと降り立った場所は、白い砂浜。青い海。  スイカ割りで思い浮かべる、ベストな場所が、そこにあった。 「うっわーーー!」  めっちゃくちゃきれー!!  オレは、靴を脱ぎ捨てて、めちゃくちゃ綺麗な砂浜を、海に向けて、走り出した。ミウもフワフワついてきて、ミウを見ながら走ってたら、派手に転がった。  でも砂がさらっさらなので、全然痛くない。  転がったまま、仰向けになって、真っ青な空を、見上げた。  きれー……。  何も考えられず、吸い込まれそうな空を見ていたら、ルカが、真上に顔を出して、オレを見下ろした。 「転ぶと思ったら、案の定転んだ」  可笑しそうに笑う。 「痛くないよ、全然」 「まあ、そうだろうな。ほら」  手を差し出されて、ん、と手を上げると、手首を掴まれて、ひょい、と引き上げられた。 「砂まみれ」  クスクス笑うルカが、パタパタ頭から砂を落としてくれる。 「……ルカの世話女房みたいなそれだけは、まだ見慣れねえんだよなぁ」  近づいてきたゴウは、スイカを、砂浜に置きながら、そう言って笑った。 「そうだよねぇ。分かる、ゴウ」  キースも笑いながら、オレが脱ぎ捨てた靴と、すっ飛ばした木の棒をスイカの横に置いてくれた。 「ルカって、本命には世話焼きの人だったのね。今まで欠片もそんな姿見れなかったのに。分かんなかったなあ~」  リアもクスクス笑ってる。 「うるせー。……つか、ソラみたいに手がかかる奴が居なかっただけだって気がするけどな」  そんな風に言われてちょっとムッとしてルカを見上げるけど。  ――――……笑ってる顔が、やたら優しいと、何だか文句も言えない。  砂をパタパタ落とされ終わると、ルカが笑いながら、オレを見て言った。 「スイカ割り、説明しろよ?」 「えーっと……」  オレは、砂に絵を書き始めた。 「ここに、スイカを置いて、一人がここらへんに立って、目隠ししてクルクル回るのね。こーやって」  言いながら、オレはその場でクルクル回って見せた。  何やら皆が何も言わずに、クスクス笑っているが、気にせず続けることにする。 「クルクル回ると、方向感覚、なくなるじゃん? そしたら、そこからスタートで、目隠ししたまま、棒を持って、スイカの所まで行くの」 「見えねえから、分かんねえじゃん?」  ゴウが言う。 「だから、そこをね、周りにいる皆が、まっすぐ、とか、右ーとか、左ーとか言って、進む方向を教えてあげるの」  そう言うと、ふーん?と皆が、首を傾げてる。 「それで、いよいよ近づいたら、そこだよって教えてあげて。そしたら、棒を振り上げて、スイカだと思う所にめがけて、棒を振り下ろす。で、割れたら、終わりで、皆で食べる」 「……それって、おもしれえの?」  ルカがクスクス笑いながら、オレを見つめて、聞いてくる。  周りの皆も、ちょっと不思議そう。 「……うん、多分。オレは、楽しかった記憶しかない。やってみようよ、きっと面白いから」 「まー、そうだな。わざわざ来たんだしな」  ルカがそう言ってくれて、始める事になった。

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