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新しい生活のはじまり
画面を見ると結お姉さんの電話番号だった。出ないでいたら何度も電話が掛かかってきた。
「もしもし結お姉さんですか?和真さん近くにいないんです。あとで掛け直します」
ー四季くんって今どこにいるの?ー
「どこって菱沼ビルディングですけど。 もしかして櫂さんから何も聞いてないとか」
ーうん、櫂くんね、四季くんが引っ越すなんて一言も言ってなかったわよ。買い物の帰りにお爺ちゃんちに寄ったんだけど誰もいなくてね。あれ、なんで四季くんがいないのかなって急に心配になってそれで電話したのー
「お爺ちゃんたちどこに行ったんだろう。もしかして誰かに連れていかれたとか……」
ーさっき連絡がやっとついて、カラオケ教室のみんなとご飯を食べてるって言ってたよ。四季くんが無事で良かったー
「僕も結お姉さんの元気そうな声を聞けて良かったです」
ホッと胸を撫で下ろした。
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