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青空さんとの出会い

「姉妹仲良くオヤジの世話になるということは、結みたくきみも命を狙われているのか? もしかしてきみも両性か?腹に赤ん坊がいるのか?」 「青空さん、いっぺんに聞いたら四季さんが混乱します。それとちゃんと前を見て、食べるなとは言いませんので、なるべく下に落とさないように食べてください」 助手席に座り、さっき買ってきたメロンパンを美味しそうに頬張る青空さん。食べながら後ろを見ていたら橘さんに行儀が悪いと注意された。 「じゃあ弾よけが必要だな。ヤス兄貴はなにかと忙しい人だから。柚原さん、俺やる」 「ハチに聞いてからな」 「姐さんの付き添いで南先生にも、上澤先生にも何度も会ってる。病院の中も熟知している。任せておけ」 「だからハチに……」 「なぜ聞く必要がある?」 ひょうひょうと答えた青空さんに柚原さんは返す言葉がなかったみたいだった。 「青空さんは、一度こうすると決めたら絶対に曲げないですよ。それに日本語もたまに通じませんし」 「青空さん、日本人ですよね?」 「小学校も中学校も行ってないので読み書きも簡単な計算も出来ないんです。小さい頃からチャイニーズマフィアの構成員として銃を握り、敵対するマフィア、ギャングと闘っていましたから」 「そんな……」 青空さんのあまりにも衝撃的な過去に言葉を失った。

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