41 / 431

青空さんとの出会い

「四季は人見知りなんだ。じろじろ見たら怖がるだろう。たく、しょうがねぇ連中だな。ごめんな四季。みんな、ヤスの娘に会いたくて、きみが帰ってくるのを楽しみに待っていたんだ」 「いえ、大丈夫です」 顔がひきつっていたけど笑顔で返した。 卯月さんに会わせたい人がいるからと到着するなり菱沼金融に連れていってもらった。 「社長の蜂谷と、隣にいるのが事務担当の亜優だ。用心棒の青空にはもう会ったよな?」 「はい。僕の弾よけがしたいと言われました」 「上司であり、社長である俺に断りを入れるのが常識なんだが、困ったことに青空にはその常識というものが通じない。側に置いて可愛がるも良し、顎でこき使うのも良し。煮るなり焼くなりきみの好きにしていいぞ。社長の蜂谷だ。宜しくな」 「朝宮四季です。宜しくお願いします」 何気に蜂谷さんにすごいことを言われたような……。頭を下げながら、ちらっと横を見ると青空さんは最後のひとつを亜優さんという名前の青年と半分こして、口を大きく開け食べるところだった。亜優さんと目が合うなり恥ずかしそうに照れて真っ赤になった。

ともだちにシェアしよう!