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青空さんとの出会い

「和真さんあのね、今日ね、卯月さんに菱沼金融に連れていってもらったんだ」 「菱沼金融は、サラ金とか闇金とかそういう類いの金融会社じゃない。健全な貸金業者だから安心していいよ」 「うん。あとね、青空さんっていうひとが僕の弾よけになってくれるって」 「青空?」 彼がむっつりした表情を浮かべた。 「男かって聞くだけ無駄だな。ここには男しかいないもんな」 「あ、でも、青空さんって奥さんがいるみたいだよ。事情があって一緒に暮らしていないって話していた。青空さん、全身に髑髏の刺青をしていて見た目はかなり怖いんだけど、甘いものに目がないみたい。蜂谷さんと一緒にいると漫才をしているみたいで、見ていると面白いんだ」 「きみの話しを聞いて誰だかやっと分かったよ。散々卯月さんに世話になっていながら、組員の名前と顔がまだ一致しないんだ。一日も早くみんなのことを覚えなきゃダメだな」 彼が決まり悪そうに苦笑いを浮かべた。

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