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青空さんとの出会い

「ハチは俺が一番大嫌いなデカだった」 「え?そうなんですか?」 意外な事実を知り驚いた。 「鞠家も伊澤も元デカだ。オヤジに惚れ込みヤクザになった。俺もオヤジに惚れている。本音をいうとオヤジよりハチのほうが好きだけどな。あれほど敵視し、大が5個付くくらい嫌いだったのにな。今は好きで好きで困るくらいハチが好きだ。人生何があるか分からない」 コーヒーをゆっくりと飲み干した。 「背中が痒くなるから好きを連呼しないでくれ」 「駄目か?」 「好きはカミさんにだけ言え」 「ハチは好きだ。尊はもっと好きだ」 「タマに焼きもちを妬かれる」 「言わなきゃ分からないさ」 「タマはただでさえ勘が鋭いんだ。職質のプロだったんだぞ。誤魔化しは利かない」 「そういうハチは?職質はひよっこか?」 「青空、そろそろお口チャックだ」 「口にチャックをしたら死ぬ。尊に会わせない気か?」 「あのな青空……」 いつものように仲良く口喧嘩をはじめた。 亜優さんは慣れているのかさほど気にせず、パソコンで黙々と何かを調べていた。

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