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青空さんとの出会い

「ハッサン!」 亜優さんが左手をすっと上げた。 「お、見付けたか。さすがは亜優。仕事が早いな」 蜂谷さんが亜優さんの隣に立ち、パソコンの画面を覗き込んだ。 「やっぱり成り済ましか。分かりやすくいうと他人に成り済まし、金融機関から金を騙し取ることだ。しかしまぁ、たいしたもんだな。うまく化けたもんだ」 感心する蜂谷さん。その直後、目の前にある電話が鳴り出した。受話器を持ち上げようとしたらぶちっと切れた。でもそのあとも何度も電話が掛かってきて、さすがに気味が悪くて蜂谷さんに助けを求めた。 「この番号は東部体育館のなかにある公衆電話の番号だ。言いたいことがあればはっきり言えばいいのにな。いい年した大人の癖に、こんな子供みたいな真似をして恥ずかしくないのかな」 蜂谷さんがやれやれとため息をついた。 「蜂谷さんは誰が犯人かもう分かっているんですか?」 蜂谷さんの目付きが一瞬だけ険しくなった。 「証拠が集まるまでもう少し待ってくれ。状況証拠だけでは相手に逃げられるだけだ。俺を信じてくれ」 「蜂谷さんは嘘をつかない。だから、話してくれるのを待ってます。あ、そうだ。 仕事しなきゃ」 蜂谷さんにこれだけ世話になっていながら、逆に心配させたらバチが当たる。

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