51 / 431
青空さんとの出会い
「和真さんも心春も、頬っぺにご飯粒が付いてるよ。ふたりとも競争じゃないんだから、ゆっくりよく噛んで食べて」
円花にミルクをあげ、縦に抱っこし背中を擦りげっぷさせていたら、どんどんとドアを叩く音が聞こえてきた。
「誰だろう」
彼がすっと立ち上がりドアへ向かった。
「蜂谷さん、どうしたんですか?」
「もらってきた焼き菓子は?もしかしてもう食べたか?」
「いえ、まだです。夕御飯のあとみんなで食べようかと。そうしないと心春がご飯を食べなくなるので」
「なるほどな」
蜂谷さんが険しい表情で入ってきた。
「大麻入りのクッキーやブラウニー、大麻入りの煙草が普通に出回っている。大手の通販サイトで堂々と売られているものさえある。海外では合法でも日本では違法だ。俺が何が言いたいか、頭の切れる和真なら分かるよな?結にも食べないように連絡したから安心しろ」
蜂谷さんが焼き菓子が入った紙袋を回収すると、代わりにラッピングされたクッキーを心春に渡した。
「ままたん特製の手作りのクッキーだ」
「ありがとー」
心春がニコニコの笑顔を見せた。
ともだちにシェアしよう!