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青空さんとの出会い
「あの、和真さん」
「ん?どうした?」
ドライヤーで髪を乾かしていた彼の手が止まった。
「俺が浮気するとでも思ったか?四季しか眼中にないよ。毎日きみと一緒にいるのがとにかく楽しくて仕方がない。俺の力の源はきみだよ。きみがいてくれるから仕事を頑張れる。四季のおかげだよ」
くしゃつと髪を撫でられた。
ここから車で五分の場所にある蜂谷さんが借りているアパートのお風呂を借りることにした。上の階に続く階段が狭くて急だからというのが理由だった。お風呂に入っている間、橘さんと柚原さんが子供たちをみててくれるから心配はいらない。
「さぁ、寝ようか。明日も仕事だし」
「うん」
彼に横に抱っこされベットに運ばれた。
優しく包みこんでくれる彼の温かな温もりが心地いい。
僕を抱き締めたまま優しく口づけをされた。それはすぐに深いキスへと変わる。愛情と、普段は秘めている彼の情熱が伝わってくるようなそんなキスに。
「ん……っ」
息も上手く出来なくなるほどに夢中で応じていると、
「やっぱりさっきのはなしだ。うんときみを愛したい。お腹の子に影響がないように気を付ける」
「……」
「だめ⁉」
「だめじゃ……ないです……」
お腹にそっと手をあて、火照りはじめた頬で言うと、にっこりと微笑んだ彼に再び抱き締められ、さっきよりも長く口付けられた。
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