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後悔
「結、思い出すのも辛いと思うがなんのオブジェだったか思い出せるか?」
「えっと確か……思い出すからちょっと待って」
結お姉さんがおもむろに僕の手を掬い上げると、手の甲を撫でた。
「あ、そうだ。手だ。エントランスには高そうな絵画が飾られてあった。タクシーは黒と黄色のラインが入った……えっとそうだ。Nタクシーだ。妊婦健診のとき何回か乗ったことがあるから間違いない」
「それだけ情報があれば十分だ。結ありがとう」
卯月さんが元刑事さんだった蜂谷さんと鞠家さんを呼んだ。
「駅前から車で十分くらいのところに一昨年まで渋谷 病院という比較的大きな病院があったんだ。患者が何人も亡くなり幽霊が出るとかで、有名な心霊スポットだった。二ヶ月前にその跡地に新しくマンションが建った。販売価格は確か5000万前後だったような。いずれにせよ庶民には手が届かない高級マンションだ」
蜂谷さんは情報通だ。すぐにそのマンションを突き止めた。
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