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慶悟先輩

円花と心春をお昼寝させてから仕事に戻ったけどなにをするにも上の空で、電話番をしながら時計ばかり見ていたら、 「四季」 彼が息を切らしながら帰ってきた。たもくんと一緒だった。 「若林の偽者が四季を連れ出そうとした聞いて、心臓が止まるんじゃないかって思ったんだ。良かった無事で……」 安堵のため息をつくと、心臓の位置に手のひらを押し付けた。 「和真さん、青空さんが僕の身代わりになって、蜂谷さんたちと病院に向かったの。危険は百も承知。騙されたフリをして、犯人をあぶり出すって」 「それじゃあ命がいくらあっても足りないだろう」 「心配しなくても大丈夫だ。二人は元デカに元殺し屋だ。幾多の修羅場と死線を乗り越え、かけがえのないバディになった。案ずるに及ばない」 パソコンを操作する亜優さんの隣に座り、一緒に画面を見ていたヤスさんが顔を上げ、彼に声を掛けた。 「誰だ、厄介者を連れてきたのは」 眉間に皺を寄せ、鞠家さんが菱沼金融に顔を出した。 「和真か?それとも……」 じろりとたもくんを睨み付けた。 「違います。私ではありません。それと私は本物です。偽者じゃありません。信じてください」 たもくんの額からは冷や汗が吹き出していた。 「身体検査でもなんでもしてください。それで疑いが晴れるなら喜んで脱ぎます」 たもくんが突然服を脱ぎ出したから驚いた。 「た、たもくん!」 「岩水!」 裸はお互い見慣れているとはいえ、恥ずかしくて下を向いた。

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