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慶悟先輩

決して真山さんを疑うわけじゃないけど、急いでパソコンでネットニュースを検索した。 「どうしよう和真さん。全国ニュースになってるよ」 彼の腕をぎゅっと掴んだ。 「証拠がないから連中はやりたい放題だ。これが動かぬ証拠になれば教団に捜査のメスが入る」 弓削さんの手が伸びてきてパタンとパソコンを閉じた。 「和真、悪いが四季を家に連れていってくれ」 「はい、分かりました」 「俺が押すからいいぞ」 彼よりも先にヤスさんが手押しハンドルを握った。 「ヤスさん俺が連れていきます」 「早い者勝ちだ。俺が連れていく」 ヤスさんは一歩も譲らずで。 「じゃあ、お願いします」 結局彼が譲歩した。 「円谷が死んで半年経たないと籍を入れることが出来ないだろう?あと二ヶ月。橋本の心をなんとか繋ぎ止めたい、その一心で真山は尽くして来たんじゃないかな。橋本はそんな真山に冷たかったが、聡太は真山にすっかり懐いて、姿が見えないだけで大泣きしているみたいだ。ハイハイが出来るようになったら泣きながら真山の後を追い掛け回すようになるな」 「キヨちゃんを大切に思う真山さんの気持ち。いつかキヨちゃんに届きますか?」 「さぁ~~どうだろうな」 エレベーターが到着して中に乗り込んだ。 「橋本はあまり乗り気じゃなかったみたいだが、やることはやっていたみたいだぞ。真山は避妊具を付けるふりをして、実際は付けなかった」 「え?」 どきっとして顔をあげると、なぜか彼が照れて真っ赤になっていた。

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