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慶悟先輩

「青空さん大丈夫かな」 「柚原さんと宋さんが一緒だから心配はいらない」 「そうよ。元気を出して。笑って。四季くんには辛気くさい顔は似合わないわよ」 彼だけじゃなく結お姉さんにも励まされてしまった。 コアラみたいに心春を膝の上で抱っこし寝かし付けていたら、 「四季くん、病院内で火災が発生したみたいで、警察が強行突入したみたいよ」 結お姉さんがスマホの画面を見せてくれた。火災が発生する寸前に発砲音がしたみたいで、人質になっている車椅子の女性と病院スタッフを助けるために強行突入に踏み切った、そうネットニュースに書かれてあった。 「ま~ま?」 眠り眼を擦りながら心春が心配そうに顔をあげた。 「そらしゃんは?ぱぱたんは?」 「二人ともきっと大丈夫だよ。明日、心春が目を覚ましたら、おはようって言ってくれるよ」 「うん」 安心したのか心春は僕の体にしがみついたまま、すやすやと眠りはじめた。

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