125 / 431
慶吾先輩
「青空さんや蜂谷さんが心配でいてもたってもいられなくて」
「そうか。心春にまで心配を掛けるとはな。面目ない」
「え?心春?」
ドキッとして体を捻り後ろを見上げると、眠気眼を擦りながらヤスさんに抱っこされた心春がいた。
「ママが急にいなくなって、泣きながらドアを叩いていた」
「ごめんね心春。まさか起きているとは思わなかったから」
「オムツが濡れてて気持ちが悪いから起きたんだろう。オムツは交換はしておいた」
「ヤスさんありがとう。心春、ママっておいで」
両手を広げると、ぬくぬくの心春が膝の上に下りてきた。
「汗いっぱいだね。おうちに帰ったら着替えして、ねんねしようね」
心春は「うん」と頷くと脇の下にすっと手を入れると、ぎゅっとしがみついてきた。
ともだちにシェアしよう!