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ベビカズ

割烹着姿の橘さん。背中には太惺くんがおんぶ紐でおんぶされてて、機嫌良く手足をぱたぱたと動かしていた。 「太惺くんは、パパを取られたって焼きもちを妬かないんですね」 「太惺も心望も遥香もみんな俺よりままたんとぱぱたんが大好きなんだ。橘の膝の上に誰が座るかで三つ巴の……いや、陽葵もだから四つ巴か?いつも喧嘩だ」 「ハルちゃんはお姉ちゃんだから我慢するって、最後は下の子たちに譲るんです。幼稚園から帰ってくるとき、ハルちゃんはいつも寝たフリをしているんですよ。寝ていれば抱っこして下ろしてもらえますからね。誰かさんと違って健気で可愛いものですよ」 チラッと卯月さんを見た。 「誰かさんって、どうせ俺のことだろう」 「遥琉とは一言も言ってませんよ」 橘さんは真山さんが置いていったリュックサックの中を確認するために事務所に来たみたいだった。 「うんちがゆるゆるだと言ってたでしょう。ですから、どこのメーカーの粉ミルクを使っているか気になったんです」

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