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二人の真山さん

ミルクを受け付けない。飲んでも吐く。おかしいなとは思いながらも、キヨちゃんを信じきっていた真山さんはその粉ミルクを使い続けていた。 「なにをしに来たんですか!」 ちょうど仕事から帰ってきた彼が真山さんの姿を見付けるなり胸ぐらに掴み掛かろうとした。 「和真止せ」 「止めろ」 コウお兄ちゃんと蜂谷さんが二人がかりでなんとか止めた。 「真山を殴るのは俺がやる。こんなヤツのために手を汚す必要はない」 ヤスさんが彼の肩をぽんぽんと軽く叩き宥めた。 「ほら、真山。しっかり抱っこしてやれ」 聡太くんを卯月さんから渡された真山さん。 「聡太、ただいま。ごめんな、遅くなって」 「そだおっかねぇツラしたら、聡太が泣くぞ。笑え」 卯月さんに言われ、ぎこちないながらも笑い掛けると、聡太くんもようやくにこっと笑ってくれた。 「お茶会ですか?」 「あぁ、そうだ。ほとぼりが冷めていないのに、懲りもせずにまたはじめた。手口は5ヶ月前とまったく同じだ。喜代子は夢華とよく似てる。男勝りな性格で浮気性なうえ金遣いが荒い。男を傅かせ、顎でこき使うまさに女王さまタイプだ。年も十九歳と若い。言葉巧みに近づき仲間に引き込んだんだろう」 吉村さんがネットを駆使しキヨちゃんのSNSのアカウトを執念で見つけ出した。一瞬誰だか分からないくらいキヨちゃんは変わってしまっていた。

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