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二人の真山さん

「ねぇ、和真さん」 「どうした?」 「キヨちゃんの側にいるサングラスを掛けた男の人、フジヤさんかな?それとも別の人かな?」 「どれどれ」 スマホの画面を指差すと彼が手元を覗き込んできた。何気に指先と指先が触れ、どきっとして顔を上げると彼と目が合った。そのまま至近距離で見つめられ、どぎまぎして赤面して俯くと、 「見てるこっちが恥ずかしくなるな」 卯月さんが苦笑いを浮かべた。 「そういうオヤジだって、姐さんと年がら年中ラブラブでしょう」 「新婚ホヤホヤの和真と四季には負ける」 卯月さんとヤスさんと真山さんがパソコンの画面を覗き込んだ。亜優さんがこの人じゃないかな?指を指して聞いてくれた。 「フジヤじゃないな。でも、どっかで見たような……」 真山さんが腕を前で組み、首を傾げて考え込んだ。 「義足の男でもないよな?」 「ヤツは夢華が殺されたあと、中国に帰った。次は自分の番だと思ったんだろう。消息不明だ」 「そうか。亜優、このサングラスを消すことは出来るか?画像を加工出来るか?」 真山さんが身ぶり手振り伝えた。

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