137 / 431
二人の真山さん
「ねぇ、和真さん」
「どうした?」
「キヨちゃんの側にいるサングラスを掛けた男の人、フジヤさんかな?それとも別の人かな?」
「どれどれ」
スマホの画面を指差すと彼が手元を覗き込んできた。何気に指先と指先が触れ、どきっとして顔を上げると彼と目が合った。そのまま至近距離で見つめられ、どぎまぎして赤面して俯くと、
「見てるこっちが恥ずかしくなるな」
卯月さんが苦笑いを浮かべた。
「そういうオヤジだって、姐さんと年がら年中ラブラブでしょう」
「新婚ホヤホヤの和真と四季には負ける」
卯月さんとヤスさんと真山さんがパソコンの画面を覗き込んだ。亜優さんがこの人じゃないかな?指を指して聞いてくれた。
「フジヤじゃないな。でも、どっかで見たような……」
真山さんが腕を前で組み、首を傾げて考え込んだ。
「義足の男でもないよな?」
「ヤツは夢華が殺されたあと、中国に帰った。次は自分の番だと思ったんだろう。消息不明だ」
「そうか。亜優、このサングラスを消すことは出来るか?画像を加工出来るか?」
真山さんが身ぶり手振り伝えた。
ともだちにシェアしよう!