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二人の真山さん

「ごめんなさい邪魔して」 ハンドリムをこいで避けようとしたら、 「あれ?四季さんなんでこんなところに?」 「じゃあ、さっき菱沼金融にいたのは一体誰なんだ?」 二人して狐に包まれたような表情を浮かべた。 「お前らが会ったのはきっと青空だ。フジヤは病院で頻繁に誰かと連絡を取り合っていた。柚原と青空は読唇術が出来る。もし俺が失敗したらあとは頼む。そう言っていたみたいだ。こういうこともあるかと思い結と紬を早めに避難させておいて良かった。心春と円花は橘と一緒だから大丈夫だ。心配ない」 菱沼金融の片付けをしていたところに、運転手の男が一般人を人質にして押し入ったみたいだった。 僕に変装した青空さんが一般人を開放する条件として自ら人質になったと鞠家さんに教えてもらった。 「あまりにもそっくりで見間違えました」 「あれ?背がこんなに高かったっけ?変だなとは思ったんですが……すっかり騙されました」 「青空なら心配ないな」 「たく、心配させやがって」 緊張して強張っていた二人の表情が緩んだ。でも、本当の恐怖はこれからだった。

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