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蜂谷さんと青空さんはラブラブだ

「お前ら、何やってんだ‼」 真山さんの怒号が響き渡ったのはそれから三十分後のことだった。 「デカイ声を出すな。頭が痛くなる」 菱沼金融に押し入った運転手の男……寺川さんは呆気ないくらい早く蜂谷さんと青空さんに取り押さえられた。 「真山、喜べ。これから宇賀神組にマトリとソタイがガサ入れに入る。違法薬物を探す気満々でいるぞ」 「全然嬉しくねぇよ。これじゃあオヤジと卯月の兄貴の顔に泥を塗ることになる。 恩を仇で返すことになる」 「それと真山、チカから……」 「それを聞いたら、聡太が母親を一生憎むことになる。俺は聡太が無事ならそれでいい」 寺川さんの髪をむんずと掴んだ。 「キヨとずいぶんとまぁ楽しくお茶会をしていたそうだな。詳しく話しを聞かせてもらおうか?」 鬼の形相で睨み付けると有無を言わさずずるずると引き摺っていった。 「青空、追い掛ける必要はない。それよりも早く着替えをしてこい」 「言われなくてもそのうち脱ぐ。今は、その時ではない。ハチの目の保養が優先だ」 「目の保養って、あのな青空……日本語の使い方自体間違っているぞ」 「日本人だけど、日本語分かりません」 「は?」 都合が悪くなると、すっとぼける青空さん。 二人はなかなかいいコンビだ。 「それにしても、オヤジといい真山といい焼きもち妬き亭主ばっかだな」 「誰が一番焼きもち妬きか、競争したら面白そうだ」 「上には上がいるっていうからな、オヤジよりも焼きもち妬き亭主がいるなら見てみたいものだな」 「だな」 青空さんがしれっとして蜂谷さんの腕に手を添えた。 「ちょうどいい。デートしよう」 「は?」 「行くぞ」 腕を組むとそのままどこかに蜂谷さんを連れていってしまった。 あれ?四季さんが歩いてる。なんで? 事情を知らない警備担当の組員さんたちが慌てたのはいうままでもない。

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