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腹が減っては戦ができぬ

「明日から無職だ。何なら俺も手伝うぞ。キヨのことをもっと知りたいし、キヨの支えになりたいから」 真山さんが段ボールをテーブルの上にどんと置いた。 「腹が減っては戦は出来ぬだ。まずは腹ごしらえだ」 真山さんがお弁当を配り始めた。 「心春はお子さまランチで、四季は彩膳《いろどりぜん》な」 膝の上にぽんぽんと六角形のお弁当を二つ重ねた。 「あの真山さん……」 「四季は痩せすぎなんだ。お腹の子の分もしっかり食べないと体が持たないぞ」 「一つでお腹いっぱいです。気持ちだけありがたく頂きます」 「そう言わずに食べろ。遠慮するな」 返そうとしたら、手で止められた。 「四季、苦手なおかずは俺が食べるよ」 「ありがとう和真さん」 「四季、あとは俺が食うから心配するな」 「ありがとう青空さん」 「俺も手伝うぞ」 「ありがとうヤスさん」 和真さんも青空さんもヤスさんも。いつも側にいてくれるから、一人じゃないから、心強い。

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