147 / 431
腹が減っては戦ができぬ
「明日から無職だ。何なら俺も手伝うぞ。キヨのことをもっと知りたいし、キヨの支えになりたいから」
真山さんが段ボールをテーブルの上にどんと置いた。
「腹が減っては戦は出来ぬだ。まずは腹ごしらえだ」
真山さんがお弁当を配り始めた。
「心春はお子さまランチで、四季は彩膳《いろどりぜん》な」
膝の上にぽんぽんと六角形のお弁当を二つ重ねた。
「あの真山さん……」
「四季は痩せすぎなんだ。お腹の子の分もしっかり食べないと体が持たないぞ」
「一つでお腹いっぱいです。気持ちだけありがたく頂きます」
「そう言わずに食べろ。遠慮するな」
返そうとしたら、手で止められた。
「四季、苦手なおかずは俺が食べるよ」
「ありがとう和真さん」
「四季、あとは俺が食うから心配するな」
「ありがとう青空さん」
「俺も手伝うぞ」
「ありがとうヤスさん」
和真さんも青空さんもヤスさんも。いつも側にいてくれるから、一人じゃないから、心強い。
ともだちにシェアしよう!