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二つの顔を持つ殺し屋
「見るだけならどうぞ」
「かたじけない」
携帯を受け取るとひび割れた画面をしばらくの間眺めたのち、ありがとうと言いながら永原先生に返した。
「翻訳アプリの他、いろいろ入っていたな。ハチに報告だ。ヤス、腰は大丈夫か?ヤスまでぎっくり腰になったら買い物難民が大勢出るぞ」
「その時は青空、きみに店長代理を頼む」
「正気か?」
「お前が知らないだけで、のっぽのドクロの兄ちゃんファンの客は沢山いるぞ」
「まじか?」
「嘘をついてどうする」
ハンドルを握る壱東さんがくすくすと笑いながら二人の会話を聞いていた。
「紗智、亜優に瀧田の携帯の画面にあったアプリやその他諸々。これから言うからどういうものか調べてくれと伝言を頼む」
「分かった」
仲良くパソコンの前に座る紗智さんと亜優さん。
青空さんの記憶力のすごさに蜂谷さんと弓削さんが舌を巻いていた。ヤスさんは腰が痛くて車からは下りずそのまま真っすぐ病院に向かった。
「ハチ、弓削、瀧田が掛けた番号を言う。少なくても二回、ヤツは電話をかけ、しょっちゅうメールをしていた」
「分かった」
「俺らに任せろ」
蜂谷さんと弓削さんの顔付きががらりと変わった。
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