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二つの顔を持つ殺し屋

「ヤスさんのお見舞いに行ってきた。蜂谷さんから連絡をもらったときは生きた心地がしなかった。四季もヤスさんも青空さんもみんな無事で良かった」 「心配をかけてごめんなさい」 「なんで四季が謝るんだ?きみはなにも悪くないだろう」 彼がにっこりと微笑んで頭をぽんぽんと撫でてくれた。 「あの、和真さん……」 「ん?どうした?」 「弓削さんから聞いたんだけど、椎根金融から和真さんに取り立ての電話があったって聞いて。それで、心配でなにも手に付かなくて……」 「相手にするなって弓削さんからアドバイスをもらったから、何度も掛けてくるようなら、業務妨害で警察に被害届を提出すると言ったら、ぴたりと掛けてこなくなったよ。それよりも腹が立つのは、彼等の狙いがベビカズだってことだ。ベビカズさえ手に入れば、母親は殺しても構わないだと。ふざけるな!」 拳をふるわせて怒る彼。 びっくりしたのか心春が急に泣き出した。 「ごめんな心春。大きい声を出したからびっくりしたよな」 彼がすぐに心春を抱き上げてくれて。お尻をぽんぽんと撫でながらあやしてくれた。

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